2015年11月26日

在庫管理の徹底

本シリーズの最後になる「在庫管理」は、中古車販売の「肝」と言ってもいい。中古車販売店がつまずく最大の理由が「在庫管理」が不徹底ゆえに、資金繰りを悪くしてしまうことだ。つまり、在庫管理は販売管理とイコールといえる。

資金繰りを悪化させないためにも「在庫管理」は徹底することだ。在庫管理には、二つの意味がある。一つは、展示車の維持管理と、もう一つは在庫基準管理だ。

在庫基準管理とは、長在車を発生させないための在庫管理をするこで、言ってみれば賞味期限のようなもだ。例えば、自社の長在車は、在庫何日間かを決めることだ。90日なのか70日、120日なのかを決めること。私は60日と考えている。展示した日から60日が賞味期限だということだLISHIピック

理由は簡単、「営業利益」を出すためだ。一日の在庫経費は、金利・地代家賃・水道光熱費・広告宣伝費・自賠責保険料・重量税などの費用と価値の目減りなどで1台当たり数千円かかる。仮に一日1,500円としても60日在庫したら、90,000円の在庫経費が必要だ。これでは、営業利益は飛んでしまう。そうならないためには、どんなに譲歩しても60日が限界ではないだろうか。

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この60日をキープするために、在庫基準を段階的に決めることを提案する。例えば、
 ・~25日以内在庫車=通常販売
 ・~35日在庫車    =積極販売車(プライスダウン、商品化)
 ・~45日在庫車   =営業割当車(営業マンに割り振る)
 ・~60日在庫車    =見切り車(アウトレットコーナー展示)
 ・60日~在庫車   =処分車(底値プライス)

といった在庫日数に応じた営業活動・施策を決めること。このことによって、長在車の発生を防ぎ、平均在庫日数40~45日をキープすることで「営業利益」を残すこと。

しかし、これが中々出来ないのも事実である。徹底するためには、自社の一日1台当たりの在庫経費を把握し、営業マンに周知徹底することから始めて欲しいLaunch Creader

次に、在庫管理ボードを用意し、どの在庫車が在庫何日目なのかが一目で分かるようにした「見える化管理」を導入することだ。こうしたことが徹底できないようだったら、中古車販売は止めた方がいい。在庫管理は、それほど大事である。

儲かったことは記憶にとどめておくが、損したことは忘れるのが人間である。儲かったことよりも、損しかことの方が経営には大事だ。損しない方策をとることが経営だからだ。

中古車販売は、売れればお客を増やすことに繋がるし、自社の顧客を作ることにもなる。また、販売することでメンテナンス、保険などの付加価値が生まれる。その意味で、車両販売は車両利益だけではないメリットが整備工場として期待できるのだが、販売はたやすいことではない。失敗しないためにも、今までのシリーズを踏まえた体制作りを整えていただきたい。



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なぜ整備工場は呼び込みが必要なのか!  


Posted by mayumi at 10:51Comments(0)OBD2

2015年11月12日

中古車販売200万台割れへの対策!

自販連から9月の中古車販売実績と09年度上半期の販売実績が発表された。9月の販売台数(軽自動車除く)は29万7784台で前年同月比13.0%減少した。これで8か月連続で減少したことになる。

09年度上半期(4~9月)の中古車販売台数(軽自動車除く)は、前年同期比7.3%マイナスの191万5934台となり、上半期としては25年ぶりの200万台割れとなった。統計を始めた1978年度以降で最低の記録という。

自販連は、その理由を「良質なタマ不足」と「代替期間の長期化」としている。私は、もう一つ理由があると思う。それは、エコカー買い替え支援策により、本来中古を購入するお客さまが、新車に流れているということだ。

自販連が云う理由だとすれば、中古車販売低迷の状況は、当面続くと予想する。この現状から抜け出すには、売れない理由を外に求めるのではなく、内から対策すべきである。その対策は、まずは在庫の整理だ日立診断機

90日以上の長在車をすぐさま処分すこと。すぐさまと云うのは、赤字覚悟で明日にも処分する行動を起こすことだ。利益を取ろうとすると売れない。できれば、長在車予備軍の60日以上90日未満の在庫車も処分の方向で検討してほしい。

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次に展示車種の見直しだ。万人に受けようと、軽から高級大型車まで取りそろえる商品構成は、長在車発生のもとであり、特徴のない店舗になる。特に、小規模展示場(50台以下)は、展示車種を減らし絞り込むことだ。やみくもに減らすのではなく、地域特性を見据えて、車種を減らすこと。

減らし厳選した車種の中での広がりを作ることだ。それを「ヤマ在庫」とティオは云っている。イメージは富士山である。ある車種をヤマの中心に据え、左右に価格、縦横に同系列の車種を揃えるのだecuチューニングBMW

大体、一つのヤマで20台から30台前後の中古車を揃えるといい。こうしたことで、来店客を逃さない、即決できる商品構成にすることが大事である。ある車種の同系列を5台程度展示していてもお客さまのニーズに応えるには不十分なのだ。

展示すれば売れた時代はもう来ない。今の販売状況が普通なのだ。だから、売る工夫が必要である。その原点は「特徴ある店舗」だ。小規模展示場の生き残りは、特徴を持つこととティオは云い続けている。  


Posted by mayumi at 11:14Comments(0)OBD2